クラシック音楽の新しい聴き方を提案する、湯山玲子主宰のプロジェクト。ほぼ月一回のペースで、音響のいいライブハウスほかにて行われる定例のトーク&リスニングイベントは、テーマ設定のもとに選ばれた音楽を聞きつつ、ゲストとともに曲自体や周辺の文化、社会状況などを語っていく。
爆クラはすなわち、爆音クラシックの略。「クラブ仕様の豊かな音量のサウンドシステムで聴くクラシック」の意味であり、実際の音量はフレキシブルな、最適音量である。
テーマは、モーツァルトのような作曲家について追求していく夜もあり、エロス、エキゾチック、美少年、お笑い、そして、フーガの技法まで多種多様。
テクノ/ハウスDJの構築とサウンドメイク、レゲエやブラジル音楽、エレクトロニカのエッジーで冷えた音響が好き、という世の中にたくさんいる音楽好きの人々、または、トロワグロの料理やはたまた、ザハ・ハディドの建築が好き、という文化系の
みなさんが、そのセンスでもって、クラシック音楽の中に「同種の世界」を見出し、願わくば好きになって欲しい、というのが、ささやかな目的でもあるのだ。
イベントのスタートは、2011年5月。本拠地としては、2016年までは、六本木の「新世界」、以降は代官山の「晴れたら空に豆まいて」、2020年5月からは、渋谷PARCOに場所を移した、ライヴストリーミングスタジオ「DOMMUNE(ドミューン)」からの生配信も行っている。
さらに、2018年からは新シリーズ「爆クラアースダイバー」を開始。「クラシック音楽を野山に放つ」というコンセプトのもと、最高の音響装置とともに、選び抜かれた曲たちをオンエアー、もしくはライブ演奏する。言わば、自然と環境のサウンドトラックであり、クラシック音楽の野外レイヴを実現するプロジェクト。選曲とプロデュースは、爆クラ主宰の湯山玲子、サウンドシステムはACOUSTIC REVIVEの石黒謙。
クラシック音楽は、楽器や声といったアコースティックな音の響きを、いかに素晴らしく伝えるか、という音響設計を兼ね備えたホールで聴くのが基本型。しかし、爆クラアースダイバーは、自然や特殊な環境の中で、風や陽の光の移ろい、匂いなどとともに、音楽を“体感”していく。そして、アースダイバーという意味の通りに、その場所が持つ、歴史や地理、風土といったものも、音楽体験の中におのずと組み込まれていく。
第1回目は、2018年12月に岡山県倉敷市児島で、遊覧船にサウンドシステムを搭載し、瀬戸内海に船出して、サンセットの夕景と水島工業地帯の夜景に選曲を施した。第2回目は、2019年の5月、藝大の「東京インディペンデント2019」に参加。彫刻家の故・平櫛田中邸のアトリエに、1970年代のステレオ装置の名機を持ち込み、LPサウンドを再生。第3回目は2019年11月、愛知県春日井市の旧国鉄中央線の廃トンネルである愛岐トンネル群4つを使って、生演奏とDJ双方のコンサートを実施。